千代田区社会福祉協議会の梅澤稔です。
千代田区外神田で銭湯を営む両親のもとで育ちました。
銭湯は近隣住民の憩いの場として、営業中はもとより営業終了後も休みの日も人が集まっていました。(両親が宴会好きだったことも影響しています。)
神田市場の移転とともに、銭湯を廃業することになりましたが、近隣住民やお客さんたちが銭湯を廃業しないでほしいと署名活動を行い、両親のもとに署名された紙を持ってきたというエピソードもありました。
困ったことがあったときに、声を掛けてくれたり、応援してくれたり、手を差し伸べてくれたり、本当にありがたいことです。何もないときは感じないことも、何かあったときに人の優しさのありがたさを感じることが私自身も何度かありました。ちょっとした一言に助けられたり、勇気をもらったりします。人を支えるということは、特別なことをすることではなく、思いあうことなのだと信じています。
私を育ててくれた千代田区は、集合住宅に住む人が85%います。隣近所の顔も名前も知らないという話をよく聞きます。私は社会福祉協議会の仕事として、千代田区で暮らす人たちが思いあうことのできる場をつくりたいと取り組んでいます。
その取り組みが隣人祭りです。
隣人祭りは、もともとフランスで生まれました。集合住宅で起きた孤独死をきっかけに、お隣さんと仲良くなろう!と中庭で一品持ち寄り型のパーティを開きました。そして住宅内で話し合える雰囲気をつくりだそうとしたのです。この取り組みは、フランスから世界中に広がり、日本でも行われるようになりました。
今まで社協の職員として隣人祭りの提案を区民の皆さんにしてきましたが、生活者のひとりとして自分がどのように暮らしているのかが大事ではないかと考えるようになりました。
現在生活をしている文京区で隣人祭りを自分がやってみよう!と思うようになりました。
色々な講座に参加して、どのようにすすめるかを計画することができました。でも、いざという時に動けない自分がいました。
なぜだろう?
はじめて生活者の立場になって考えることができました。
- 自分の時間がとられてしまう。(負担が大きくなる。)
- 家族の賛同が得られるか。
- 面倒なことが増えるかも。
これらのできない要因は、自分だけのことではなく、多くの人たちが同じだと思いました。
ではどうすればいいのか? これから皆さんと一緒に考えていきたいと思います。