みんなの場づくり

アソシエーション社会の見える化としての「おるた家族食堂」 

食堂写真

市民自治を強める運動の一つとしてアソシエーション社会に着目し、生活クラブ生活協同組合神奈川が2003年12月に生み出したのがフォーラム・アソシエです。「フォーラム」は人と人が集まる場所を、「アソシエ」はアソシエーションの略で人と人が結び合うことを意味します。社会学においては、アソシエーションは自立した諸個人の自由で対等なネットワーク型結合体を指し、今回の安保法制に反対し意思ある個人が参加するSEALD’s(シールズ)などはまさにこれに当たるでしょう。

当初、ワーカーズコレクティブ(働く人の企業組合)やNPO法人など市民事業に取り組む団体や市民活動グループが会員となり情報交換や交流をしてきましたが、人のつながりで社会のセーフティネットをつくることに賛同した個人や団体が、持てる技能や情報を提供する講師として会員登録するようになると、さまざまな塾や講座、イベントの開催が活動の軸になりました。設立10年を機に新たな組織と活動展開について検討を開始し、会員間で議論を重ね、2016年度より社会教育と子育て支援を主たる事業とするNPO法人となることを決めました(2015年12月認可申請)。子どもを真ん中においた人のつながりが多様にある社会をこれからの当たり前にしていきたいと考えています。

スライドキャプチャNPO法人として新たに始める自主事業「おるた家族食堂」は、血縁とは異なるもう一つの(オルタナティブな)家族体験の場です。

子どもの貧困に対して子ども食堂の取り組みが全国に広がっていますが、その背景にある問題に対しては他にも多様なアプローチが必要です。
・次世代を担う子ども、若者が、日常生活における基本的な知恵や技術、教養を人とのつながりの中で身に着ける機会が減っていること
・経済的な理由からファストフードやコンビニ弁当で夕飯を済ませる子どもや若者が少なくないこと
・女性の社会進出を歓迎しつつも、子どもの孤食や食事づくりの問題を女性の問題とする風潮がいまだにあること
を課題と捉え、食事作りを中心に後片付けなど家事のコツを学んだり、コミュニケーションを取ったりする会員制の食堂を始めることとしました。常設ではなく、言わばイベントとしての食堂で、家族会議に参加して食堂を運営するファミリー会員と食べに来るフレンド会員の募集からスタートし、今後は食材や労力の提供、寄付で関わる会員も募っていきます。

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活動内容としては継続するものもありますが、任意団体としてのフォーラム・アソシエは閉じることになります。おるた家族食堂のスキームだけでなく、NPO法人フォーラム・アソシエそのものに賛同する人や団体を改めて募り、事業と活動を持続可能にする必要があります。その投げかけはまだまだ不十分で、力が及んでいません。また、経費を抑えつつ効果的な広報をするにはWEBの活用が必須ですが、そこは特に不得意な分野です。

今まで培ってきたオフラインのつながりを強みに、ボランタリーに関わるスタッフやサポーターの力を借りながら、オンラインのつながりを広げることが目下の急務です。

About the author

元木 知子(神奈川・横浜市)

元木 知子(神奈川・横浜市)

フォーラム・アソシエ  運営委員長
(2016年4月1日より NPO法人フォーラム・アソシエ 理事長)

日常生活における課題を生活者の視点で解決していく生活クラブ生活協同組合の運動に共感し、委員や理事を20年近く続けてきました。
2014年6月の総会で、生活クラブを代表して(フォーラム・アソシエ)運営委員長となり、その総会の来賓だった佐藤慶幸氏(早稲田大学名誉教授)から、「今の社会をどう見ているのか、アソシエーション社会を拡げてどんな問題を解決したいのか、もっと掘り下げて考えるように」との指摘を受けました。翌2015年1月に川崎市の河川敷で起こった中学生殺傷事件を機に、子ども若者の貧困、ただの貧乏とは異なる情報や人間関係や思想の貧困という問題に思い至り、生活に根差した「生きる力」を引き出す体験と対話の場を提供し、子どもが安心して頼ることのできる大人の行動力を培っていきたいと考えるようになりました。

フォーラム・アソシエ ウェブページhttp://forum-associa.jimdo.com/

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