みんなの場づくり

あたらしい地域づくりのかたちを話合いの場から創ろう

 

はじめまして。山形県山形市で活動しているNPO法人山形の公益活動を応援する会・アミル(以下アミル)の石山由美子です。アミルは、社会の変化やニーズを把握し、地域におけるさまざまな団体の活動や団体間の連携を支援する「中間支援NPO」です。最近では、地域コミュニティ支援に、NPO支援で培ったノウハウを効果的に活用するための事業を行っています。

私の住む山形県も高齢化と人口減少に伴い、地域の魅力や資源が減少し、地域課題が増え、今まで私たちが経験したことがない状況へと変わりつつあります。そんな中、活力ある地域社会づくりに向けて、いろいろな立場の人が集まり、丁寧な話合いの場を通して、地域が守っていきたい事、大切にしたい事、解決したい困りごと、抱える課題を明らかにし、人が持つ知恵と工夫により地域の方たちと一緒によりよい地域づくりのため泣いたり、笑ったり、怒ったり、喜んだりの活動をしています。

地域コミュニティの「場づくり」や支援をおこなう時、必要とされる私の役目としては二つ。

一つは、コーディネーターとしての役割。対等な関係性を作り、つながることで総合的な力や新たな解決力を生み出す。地域の方の意欲を引き出し、活動や組織への参加・参画を促進すること。組織内の人や部署の役割を調整すること。また、異なる組織のフラットな関係をつくり協働を実現していくことなど。

二つめは、ファシリテーターとしての役割。「場」を客観的に捉え、思考を整理し、問題解決につなげる。合意形成をはかる。そして組織や社会の中に変化を生み出すなど。ですが「変化」を生み出すことはまだまだできていません。どちらかというと私は「コーディネーターとしての役割」が自分にあっていると感じます。

最近では「新しい総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」で「地域(自治会)」や「協議体」の「話合いの場づくり」に関わり、このお役目を引き受けることが多くなっています。

今、活動の中で必要だと思うことは「地域の中で活躍できるコーディネーターやファシリテーターがその地域に居ること」。その担い手育成のために、勉強会なども開催しています。
また「地域づくりは、誰のため、何のため」を明確にし、話合いをしただけでなく、話合いの結果を「場」にフィードバックしていくこと。話合いの場で話されたことをファシリテーショングラフィックにより、共有する、持ち帰ってもらうこともとても有効だと感じています。

正直、「話合いの場づくり」は、うまくいかないこと、反省することが多いです。ですが、地域づくりの発展の階段(関心―参加―発見―創造)を上ったり降りたりしながら、取組んでいきたいと思います。

皆さんの活動の事例を教えていただいたり、お知恵やお力をおかりしたりできたら嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします。

石山さんの場づくりの風景から

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(1)地域活動を行っている4つの大学の学生が集まり、日ごろの自分たちの活動を振り返り、互いの活動を認め合い、自分の活動を肯定するワークショップ。
プロのファシリテーターの方と一緒に企画し実施しました。神社を会場に実施したのですが「場」がもつ力と人の力が重なり、良き話合いの場が創られました。
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(2)330世帯を抱える自治会さんとの地域の絆づくりワークショップ。
高齢の女性が「こんな楽しい会ならお父さんもつれてきたかった」と言ってくださり、その言葉に励まされました。これは山形県企画調整部市町村課の事業でした。今年度は行動計画に着手する予定ですが、進んだり戻ったりの状況です。

※報告書があります。ご興味がありましたらお送りしますのでお申し付けください。
特定非営利活動法人 山形の公益活動を応援する会・アミル

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(3)地域の中でファシリテーションを行っている方たちが集まった勉強会

About the author

石山 由美子(山形)

大学卒業後、金融機関に勤務。夫の転勤により退職しベトナム社会主義共和国へ。NGOの活動と出会う。帰国後、日本語教師として外国人配偶者や外国にルーツを持つ子どもたちに日本語教育支援を行う。また彼(彼女)らの抱える課題解決のため市民活動に関わる。2007年より中間支援NPO・NPO法人山形の公益活動を応援する会・アミルに所属、山形市市民活動支援センター、山形県男女共同参画センター勤務を経て、現在はアミル事務局。NPOのマネジメント、地域コミュニティ支援を担当。