みんなの場づくり

自分たちらしく、地元(北海道)と関われる場と仕組みをつくる!

2014年5月、「地元・北海道ともっと関わりたい!“北海道”と面白いことがしたい!」たったこれだけの想いで道産子(北海道出身者)が集まり、株式会社DKdo(でぃーけーどぅー)が立ち上がりました。立ち上げメンバーは9名。いずれも本業を持ち、全く違うジャンルで働いています。農業プロデューサーにフリーアナウンサー、CSRコンサルタントに人材育成NPO職員と、それぞれが本業にも強い想いを持ちながら、「2つ目の顔」としてDKdoの運営に関わっています。「地元」という2文字が多くの人にとって特別な響きを持つ時代になってきた今、「ずっと東京にいる」ことに違和感がある人も増えてきているのではないでしょうか。一方で、結婚・恋人・仕事・友達・お金…私たちを東京から離れにくくさせている多くの理由たち。
「地元が好きなら帰ればいいじゃない。」そう言われて「はい、帰ります」と言えない人には、「地元か、東京か」は極端な選択肢しかないように感じてしまいます。
まさに「地元との関わり方を模索する在京道産子」が自分たちと同じように思う道産子たちを結集し、一つの大きなパワーにしたいと思い、立ち上がったのがDKdoです。

どさんこパスポート_20150308
主な活動内容は、「Dosanko Passport(どさんこぱすぽーと 愛称:どさんぱ)と呼ぶ、コミュニティカード。単なる会員証ではなく、ポイントカード機能を備えており、ウェブや店舗でお買い物、飲食をした際にポイントが貯まる仕組みになっています。ポイントサービスは多くの企業でやっていますが、私たちのコミュニティカード「Dosanko Passport」は、「貯まったポイントを使って、お買い物をしよう!」が目的ではありません。貯まったポイントを使わず、2年間の有効期限が切れた「失効ポイント」を使用して、北海道を活性化しようと考えているのです。失効ポイント分を株式会社DKdoが負担することで、「北海道を活性化する資金」を作ること、そしてそれを活用し、北海道に還元したいと考えています。
この取り組み自体は、2014年8月からスタートしたものであり、実際に失効ポイントが発生するのは2年後の2016年8月以降。つまりそれまではこの「失効ポイントを活用してどのように北海道活性に寄与するか?」をじっくり考える期間です。

こうした仕組み自体は出来上がっていますが、会社設立時は、資金もちゃんとした事業計画もなく、およそ会社設立というには全てが不足している大変心許ない状態でのスタートでした。一方で、メンバー全員に共通していたのは「地元と、自分らしく関わる新しい方法が知りたい」という想い。この思いは、会社の設立理念ともなっています。

ただ、正直なところ、最初、メンバーが集まった時、会社の設立が目的ではありませんでした。メンバーそれぞれが本業を持っているため、その中で出来る範囲で関わりたいと考えていた人も少なくなかったからです。しかし、メンバーの話し合いの中で、ポイントカード事業を思いつき、それを実現しようとすると、個人情報を取り扱うため、「法人格」の取得が必須だとなりました。思いを実現するには、必然的に会社を設立しなければならなかった、というのが設立の一つのきっかけでもあるのです。

そのような思いがあってつくった事業ですが、実際に始める前までは「取組みに賛同してくれる人はいるのだろうか」や、「東京に居ながらにして、北海道と関わりたいと思う人はいるのだろうか」等、本当に動き出すかどうか不安な面もありました。
そんな私たちが、まずは身近な人からお知らせを始めていこう、と考えて実施した弊社の設立記念パーティには、予想以上の40名以上の方にお越しいただきました。その場は、今でもご支援いただいている企業の経営者の方や北海道を駆け巡る政治家の方など、多種多様な方に弊社のやりたい事をご相談する機会にもなりました。

地元を知るフィールドワークも活動の一つ

地元を知るフィールドワークも活動の一つ

それからは、道産子が集まる月1回のイベントや北海道の広域観光連携に対するコンサルティング、セミナーなど北海道に関わる仕事であれば何でもやっています。
結果として、会社を設立したことは、本腰を入れて取り組んでいくことをお約束する形となり、私たちが一歩を踏み出す、よい機会であったなと思っています。

私たちが一番にやりたい事は、「道産子の力を結集して、東京に集まりすぎているお金・モノ・人」を北海道が元気になるパワーとして還元していくこと。
「地元に戻る」ことが全てではないと思っています。家族や仕事、友達や様々な理由で「東京を離れにくくしている事情」をお持ちの方はたくさんいらっしゃると思います。でもその方々は北海道と関わりたくないのか? この活動を始めてからは「そうではない」ということを強く感じています。みんな何かしら、地元のことが気にかかっているし、もっと何かしたい、そう思っていると思います。
先日、私たちの活動メンバーから、人口6000人の町に家族を連れてUターンする若い女性が現れました。東京の大手企業でマーケティング戦略を考える部署の最前線で活躍していた方ですが、仕事の傍らでDKdoの活動に携わり、故郷の事を考える時間が増え、その結果、「地元に戻って、地元の活性に取り組む」ことが腑に落ちた、と仰っていました。

「一度東京に出た人間が地元に戻る=負け」ではなくて、自分の強いアイデンティティがある特別な想いがある土地、それが「地元」であり、それを持つことの素晴らしさを東京にいながら、更に感じたり、その気持ちを“行動に起こす事が出来る仕組みを作る”。
そんなことを目指して2016年の「失効ポイントの発生」まで、道産子もしくは強い北海道愛を持つ方と巡り合えたらと思っています。

月1回のイベントは下記のFacebookにてお知らせしています。ぜひ、お気軽にお越しください!
https://www.facebook.com/dkdo.hokkaido
DKdo ホームページ http://dkdo.hokkaido.jp/

About the author

川口 枝里子(東京ー北海道)

北海道生まれ北海道育ち(札幌出身)。小樽商科大学に進学し、大学3年間を過ごし、その後休学。東京の企業の新規事業部でビバレッジの輸入事業の立ち上げに従事後、地域活性・人材育成を行うNPO法人に新卒で入社。現在は、NPO法人とDKdoの2つの法人に参画し、「ヒト・お金・スキル・想い」が東京から地域に送り込まれる事業に従事。「この土地が好きだから」という理由で地域に関わる人を増やすべく活動中。